宅建試験 独学で合格できるのか?

社会人でも宅建に独学で合格する方法

皆様、こんにちは。勉強は順調でしょうか?今日は宅建は独学でも合格出来るのか?について考えたいと思います。そもそも社会人で日々仕事をしながら勉強が習慣化されている人は本当にごく僅かかと思います。私自身も一年に1個資格を取ろうと心に決めて頑張っていますがまあつらいです。てことで、独学での勉強方法についてまとめてみました。

独学でも合格できるが、初学者には難関資格
「独学で宅建の試験に合格できるのか」という疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、独学でも合格することは可能です。
これまでの宅建合格者の中にも独学で試験を受け、合格を勝ち取ったという方もいらっしゃいます。

しかし、合格率が15%ほどなので、簡単に合格できる資格ではなく、初学者の方は「難関資格」という認識を持ったうえで学習に臨むと良いでしょう。

学習以外の負担もある
また、独学の場合、テキスト選びから学習計画、わからないことがあった場合の情報収集などのすべてをご自身で実行していく必要があるので、スクールに通うよりも学習以外にやらなければいけないことが増える分負担が大きくなるといえるでしょう。
このページでは独学で合格を勝ち取るために重要なポイントを解説していきます。

宅建の合格に必要勉強時間は?

毎日1時間の場合は約10ヶ月

通信教育校などのホームページを見ると、独学で合格を目指すためには250~300時間の勉強時間が必要であると考えられています。
中には100時間で合格したという方もいますが、通常はこの時間で合格することは難しいでしょう。
「毎日1時間の場合は約10ヶ月」とした理由については、下記のとおりです。

スケジュールを組む

先ほど独学での勉強時間は大体250~300時間というお話をしましたが、インターネット上で見る限り独学で合格された方の勉強時間の平均は250時間ほどでした。
この250時間を確保するために必要な期間を1日の平均勉強時間で計算し、2022年10月16日の試験から逆算してみると、下記のようになります。

【試験までの学習時間300時間の場合】
・1時間の場合:10ヶ月(12月中旬頃から)
・2時間の場合:5ヶ月(5月中旬頃から)
・3時間の場合:4ヶ月(6月中旬頃から)
・4時間の場合:3ヶ月(7月中旬頃から)
・5時間の場合:2ヶ月(8月中旬頃から)
※初学者の合格までの平均学習時間:200~400時間

余裕を持った学習計画を立てる
しかし、あくまでこれは単純計算であり、平均値です。
前述のとおり隙間時間での勉強の場合は、少し余計に時間が必要になる場合もあります。
また、残業や体調不良、急用などで計画通りに勉強ができない日もあるでしょう。
それぞれの生活に合わせ、余裕を持った学習計画を立てることが必要です。

長い勉強時間が確保できるか

いくつかの理由は考えられますが、大きな要因の一つに「集中してまとまった勉強時間が取れる人」と「通勤中の電車の中や、寝る前の短時間など隙間時間で勉強する人」の違いがあると考えられます。
隙間時間であっても長い期間をかければ同じだけの勉強時間を確保することはできますが、どうしても学生や専業主婦の方などに比べると勉強時間が細切れになり、集中できる時間が長くないために中途半端に勉強を中断することが多くなります。
その結果、以前やったところでも読み直しが必要になったり、忘れてしまったりして余計に時間がかかってしまうのではないでしょうか。

宅建の勉強方法は大きく3つ

宅建試験の合格を目指すにあたり、勉強の方法には大きく分けて3つの方法があります。

●スクールを利用する
●通信講座を利用する
●独学で勉強する

という上記の3つです。

どの方法を選ぶかによって勉強時間やスケジュールの組み方が変わってきます。
スクールであれば、あらかじめ決まったカリキュラムに沿って勉強をすることになりますし、通信講座であれば自分の生活スタイルに合わせて学習スケジュールを組む方法を教えてくれたり、自動的にそれを組んでくれるツールが用意されていたりします。
しかし、独学の場合は自らスケジュールを学習計画を立てて勉強をしていく必要があります。

科目ごと独学のポイント

宅建試験においては前述の4項目すべてが重要ですが、中でも大きな得点源になるのが「宅建業法」と「法令上の制限」、「権利関係(特別法)」です。
宅建業法は50問中20問、法令上の制限は50問中8問、権利関係(特別法)は50問4問の出題で、合計で出題数の7割近くを占めます。

「宅建業法」の対策

宅建業法の出題は、テキストに載っていることがそのまま出題されることも多く、また、過去に出題された内容と同趣旨での繰り返し出題となりますので、過去問対策をしっかりやっておけば高得点が望めます。
しかし、数字に関する出題も多くありますので、各項目においての暗記には力を入れてください。
中には計算問題も含まれますが、難易度としては小学生の算数程度です。
ただし、電卓の持ち込みが禁止されているので、練習問題の余白などで手書きの計算をすることに慣れておいてください。

点数が取りやすい
上記のことから、宅建業法に関しては出題数が多く、かつ、いちばん点数が取りやすい項目ですので、満点を取りに行くつもりで勉強を進めましょう。

「法令上の制限編」の対策

「法令上の制限」とは耳慣れない言葉ですが、よりよい街づくりのために、不動産の使用に対し「法令」で制限をしていこうという意味内容です。

たとえば、都市計画法では「市街化区域・市街化調整区域」という制度が用意されていて、このうち「市街化調整区域」に指定されたところでは、原則として、建築物の建築や宅地の造成工事をすることができません。
また、「第一種低層住居専用地域」に指定されているところでは、文字通り、低層の戸建て住宅のみの建築が認められています。

受験対策としては、積極的に街に出向き、ぶらぶら散歩をしながら「身体で理解する」ということをおすすめします。

繰り返し出題が多い
宅建業法とおなじく、過去に出題された内容と同趣旨での繰り返し出題が多い項目ですので勉強をすればするだけ得点も伸びていきます。

「権利関係(特別法)」の対策

民法は得点が取りにくい
一方、「権利関係(民法)」は宅建試験の範囲の中ではいちばん受験対策が取りづらく、また、勉強に時間がかかる項目です。
その理由として「民法」は、他の項目と比べると初見問題(過去に出題されていない内容)も多く、過去問対策だけでは得点が伸びなかったりする場合もあります。

特別法は勉強の分だけ得点が取れる
ところが、「権利関係(特別法)」での出題内容である区分所有法、借地借家法は、過去試験と同趣旨での繰り返し出題が多いため、他の項目とおなじく勉強をすればするほど確実に得点をしていくことができます。
ただし不動産登記法は初見問題も多く、労力が報われにくい場合もあります。

「税その他」の対策

「税その他」は、不動産のに関する税制の問題と、前述した宅建業法などに含まれていない不動産・不動産取引に関する法律の問題からなる科目です。毎年8問しか出題されないにもかかわらず範囲は広く、過去問から対策が取りにくいため、苦手意識を感じる人も多くいます。

よく出る範囲に絞る
試験では毎年、税制から2問出題されますので、税制に勉強を絞って確実に2問取り、法律は直前の暗記に賭けるというのもひとつの手かもしれません。
さらに税制のなかでも、国税からは「印紙税」「贈与税」「登録免許税」、地方税からは「不動産取得税」と「固定資産税」についてよく出題される傾向にありますので、まずはここから抑えていくのがいいでしょう。

免除科目

宅建試験では事前に国土交通大臣が指定する講習を受講して「登録講習修了者証明書」を交付してもらうことで、 「税その他」の分野の「その他」にあたる46~50問目の5問を免除してもらうことができます。その分、合格ラインが5点引き下げられ、試験時間も10分短縮されます。
免除は3年以内
5点免除を受けられるのは、宅建登録講習を修了してから3年以内の試験に限ります。5点免除を検討している方は、勉強の進捗なども考慮して講習の予定を組みましょう。

試験範囲

次に試験範囲です。
宅建試験では大きく分けて「宅建業法」「権利関係(民法・特別法)」「法令上の制限」「税金その他」の4項目が出題されます。
それぞれ例年出題されることの多い項目は下記のとおりです。

宅建業法
・宅地建物取引業の免許
・宅建取引士制度
・媒介契約
・報酬額の制限
・重要事項の説明等(35条書面)
・契約書面の交付(37条書面)
・宅建業が自ら売主となる場合の制限
・営業保証金
・保証協会
・監督処分・罰則

権利関係(民法)
・制限行為能力・時効
・意思表示(「詐欺・強迫」「虚偽表示」「錯誤」など)
・債務不履行
・代理(「無権代理」「表見代理」「復代理」「自己契約・双方代理」など)
・物権変動
・相続
・共有
・賃貸借契約
・売主の担保責任
・連帯債務
・保証債務
・不法行為
・抵当権

権利関係(特別法)
・借地借家法
・建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)
・不動産登記法

法令上の制限
・国土利用計画法
・都市計画法
・建築基準法
・宅地造成等規制法
・農地法
・土地区画整理法

税金その他
・国税(所得税、贈与税、印紙税、登録免許税などで2問)
・地方税(固定資産税、不動産取得税のいずれか1問)
・地価公示法、不動産鑑定評価基準(ほぼ交互にどちらか1問の出題)
・不当景品類及び不当表示防止法、
・住宅金融支援機構法、
・各種統計
・土地の形質等
・建物の構造等

宅建を独学で勉強する方法

参考書の選択

独学で勉強をする場合、参考書やテキストも自分で選ぶことになります。
今は書店だけではなく、インターネットなどでも多くの教材が売られていますので、有名な通信講座校の発行しているものを選んだり、口コミなどを参考に選んだりすることも可能です。
その中でも使いやすい参考書やテキストを選ぶポイントを紹介していきます。

受験業界のプロ講師が著者であるものを選ぶ
著者が宅建取引士資格試験の受験対策講座の講師である場合がいちばん判断しやすいと思います。
その他、弁護士や司法書士など法律の専門家によって書かれているものありますので、まずは書店にて実際に手にとって眺めてみることをおすすめします。

イラストや図解、表などがあるものを選ぶ
解説が文章だけでは想像がしづらく、余計に難しく感じてしまいます。
テキストはできれば中を見て、イラストや図解、表などがあるものを選びましょう。
また自分の好みでフルカラーや2色刷りなど、ぱっと見て見やすいと思うものを選んでください。

文章が読みやすいものを選ぶ
著者と見た目にこだわっても、どうしても自分との相性で、読みやすい文章、読みにくい文章というものがあります。
読んだ時、すんなりと頭に入ってくる文章で書かれた参考書やテキストの方が、勉強がしやすいのは当然です。
ぱらぱらとめくって見た目の印象だけで決めるのではなく、少し内容とその文章を読んでから選びましょう。

過去問はテキストと対になったものを選ぶ
自分が読みやすい、使いやすいと思えるテキストや参考書が見つかったら、問題集もそれと対になったものを選びましょう。
解説の言葉などに違いが出ないため、学習がしやすくなります。
最低5年分、できれば10年分以上の過去問がまとめられた問題集を選びましょう。

また、問題集にきちんと解説がついていることが大切です。
正解不正解だけでなく、どこが違っていたのか、なぜそう考えるのかなどがきちんと解説されているものを選んでください。

過去問を解く

宅建試験において、過去問はとても重要です。
なぜなら宅建試験は「過去に出題された内容と同趣旨での繰り返し出題」が多く、いわゆるひっかけ問題のパターンもおおよそ過去に出題されています。
テキストや参考書を読んである程度の知識を入れたら、早めに「過去問」に手をつけてみましょう。
最初は点数が取れないと思います。
それが当然ですので、気にせずどんどん解いてください。
過去問を解いているうちに頻出の問題はどんなものがあるか、理解が足りておらず何度も間違える部分はどこか、どんなひっかけ問題が多く出されているのかがおのずと見えてきます。

おすすめの方法
この過去問を繰り返し解き直す際に、おすすめの方法があります。
それは「答えは合っていたけれど、正解だと自信がなかった問題」や「間違えた問題」などを自分でしっかり把握しておくための工夫をすることです。

たとえば、解説を読み、もう一度テキストに戻って復習をし、「どこが違っていたのか」と「正しい答え」を手書きで書くなどです。
この3段階の作業が知識定着のために最大限の効果を発揮します。
時間も手間もかけた分、もちろん「面倒だ」と思う自分がいて、その自分との戦いを制することの効果は図りしれません。
間違いなく実力に結びつくのでぜひこれを実行してみてください。

時間を計測する

そして過去問を解く際にもう一つ大切なことがあります。
それは時間を計ることです。

時間配分ができる
最初はあまり気にしなくていいですが、慣れて来たら時間を計って問題を解いてください。
本試験と同じく50問を2時間で解いてみて、自分がどのくらいの速度ですべて解き終わるのか、またどのくらい時間が足りないのかを把握してください。
慣れてくると段々速度は上がっていきますし、そうやって2時間時間を計って集中して問題を解くことで時間配分ができるようになり、本試験の感覚が掴めてきます。
また、先ほどの作業を繰り返すことで、確実に正解率も上がっていきます。

自信と実力に繋がる
過去問をその手順で解くことによって本番での緊張が和らぎ、実力を発揮しやすくなることにも繋がります。

回数に関しては時間の許す限り、解けるだけ何度でも解いてください。
その繰り返した回数は自信と実力になっていきます。

宅建を独学で合格するためのポイント

結論からいえば不可能ではなく、実際に過去独学で合格された方もいます。
簡単ではありませんが、費用が教材費等のみの最低限で済む、自分のペースで勉強できること、やりたい科目を納得いくまで繰り返せることなど、独学で学ぶメリットはあります。
では、独学で勉強を進める場合、どういったことを心掛ければ良いのでしょうか。

(1)自分に合ったテキストを選ぶ

勉強を始めるには当然テキストが必要となります。
今は書店や通信販売で色々なテキストが手に入ります。

口コミやまとめサイトなども参考にする
通信販売で購入する場合、そのテキストの口コミを見ることができますし、ブログやまとめサイトなどでは受験経験者の方が情報を掲載しているので、そちらも参考になるかもしれません。
事前に情報を集めたり、実際に手に取ったりしてご自身に合うかどうかを確認してから購入をされると良いでしょう。

(2)法改正はあらかじめチェックをする

独学で怖いことの一つは法改正に適切に対応できないことです。
一生懸命過去の問題を解いたものの、それが法改正以前の問題集で法律が変わっており、せっかく覚えたことが正解ではなくなっていたといった事態に陥らないように、チェックしておきましょう。

(3)学習計画を立てる

宅建を独学で学んだ方の経験談によると学習時間は100~400時間と大きく開きがありました。

まとまった時間に集中して勉強する
テキストや勉強法でもこの時間の差は生じる可能性はありますが、まとまった時間にどれだけ集中して勉強できるかにもよるといえるでしょう。
また、学習時間が多ければ良いというものではありませんが、過去問を繰り返す時間があった方が良いのは間違いないでしょう。

少し多めに学習計画を立てる
初学者の方は、試験までの日程に余裕がある場合は、少し多めの学習計画を立てられることをおすすめします。
月曜日から日曜日までの生活を24時間で書き出し、仕事、学校、食事や睡眠、入浴など必要な時間を書き入れていきます。

実行できる範囲で学習時間を決める
時間を書き出してみることで、学習にあてられる時間帯や時間が見えてきます。
その表を見ながら「実行できる範囲」で学習時間を決めましょう。
空き時間すべてを学習時間にあてるような計画を立てると早々に挫折してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

(4)1週間に1日空白の日を作る

大切なのは必ず「1週間に1日だけ空白の日を作る」ことです。
これは何もしない休憩日ではなく、急用、残業、体調不良などで勉強ができなかったり、予定通りに終わらなかったりした日の分を調整するための日です。

計画に余裕を持たせる
もちろん、学習が順調に進んでいるのならリフレッシュする時間にあてたり、休息を取ったりするのも良いでしょう。
逆に前倒しで学習を進めることで、その先の計画に余裕を持たせることもでき、モチベーションの維持にも役立ちます。

(5)宅建業法は満点を目指す

先ほども触れましたが、宅建業法は宅地建物取引士の基本です。
初学者の方にもいちばん分かりやすい科目で、他の科目よりも点数が取りやすいため、まずはここでしっかりと基礎を固めましょう。
最初は何をいわれているのかさっぱり分からないことも多いですが、学習を進めるうちに理解できることも増えてくるはずです。

皆様、頑張ってください。

僕は毎日のように、こう自分に問いかけている。『今、僕は自分にできる一番大切なことをやっているだろうか』と」