宅建業法 事務所要件

皆様こんにちは、勉強は順調でしょうか?12月試験まで残り僅かですが、今ここでしっかりと復習することによりプラス1点、2点は期待できます。この1点が運命を大きく分ける試験が宅建試験だと思いますので是非とも諦めずに挑戦しつづけて下さい。

宅建業の事務所とは?

事務所とは、

1.本店(主たる事務所)
2.支店(従たる事務所)
3.宅建業を継続的に行うことができる施設を有する場所で、宅建業に係る契約締結権限を有する使用人を置いているところ

を言います。3番が条文そのままで分かりにくいですね。これはつまり、営業所などしっかり固定された場所で、営業所長など偉い人がいるところということです。新入社員が1人で留守番している簡易案内所など、すぐに移動できる施設は事務所とは呼べません。

ここでの宅建試験出題ポイントは次の1文です。重要です。「支店で宅建業を営んでいれば、宅建業を営んでいない本店も事務所となる」これは絶対に覚えておいてください。例えば2つの支店ABを持つ会社(本店)があったとします。支店Aだけが宅建業を営み、本店と支店Bは宅建業とは関係ありません。この場合に事務所と呼ばれるのは・・本店と支店Aですね!宅建業を営んでいない支店Bは宅建業法上の事務所ではありませんので、ここも注意です。

事務所に必要なもの

宅建業法上の事務所には、次の5つのものが必要です。

1.標識
正式には「宅地建物取引業者票」といいます。正式名を覚える必要はありません。本当に宅建業者であるか判断するためのものです。

2.報酬額の掲示
宅建業者が受け取る報酬がいくらなのか、宅建業法で定められた報酬額をあらかじめ明記しておきます。お客さんが安心して取引できるようにするためです。

3.帳簿
宅建業の取引があった場合、その年月日、宅地建物の所在・面積等を記載する台帳です。宅建業の適正な運営と取引の公正を確保するためのものです。この帳簿は、各事業年度の末日に閉鎖して、閉鎖後5年間保存する必要があります(宅建業者が自ら売主となる新築住宅にかかる帳簿は10年間保存)。

4.従業者名簿
宅建業者は、その従業者に「従業者証明書」を携帯させる必要があります。これがなければ宅建業に従事できません。そして従業者は、取引関係者から請求があった場合は、その携帯する従業者証明書を提示する義務があります(請求がなくても提示する重要事項説明時の宅建士証と区別)。この従業者証明書をまとめた台帳が「従業者名簿」です。取引関係者の請求があった場合は、この従業者名簿も閲覧させる義務があります。従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存する必要があります。従業者名簿には、従業者の氏名、生年月日、主たる職務内容、宅建士であるか否かの別などを記載しますが、平成29年の法改正により住所の記載が除かれましたので注意してください。

5.成年者である専任の宅建士

宅建業に関する法律の専門家を置き、業務の適正な運営を図ります。
・事務所については業務に従事する者5名に1名以上の割合
・宅建士の設置義務のある案内所等については少なくとも1名
宅建業者は成年者である専任の宅建士を、上記の通り置かなければなりません。

この人数が不足した場合、宅建業者は2週間以内に新しい宅建士を補充するなどの措置を取らなければなりません。そして設置から30日以内に免許権者に届け出ます。2週間以内に設置して届け出ると出題されたら誤りです。もちろん初めから所定の人数が不足する場合は、事務所等を開設することができません。

業務に従事する者とは、営業や一般管理はもちろん、補助的な事務に従事する者も含まれます。宅建士の設置義務のある案内所等とは、契約の締結や申込みを行う特定の場所を言います。

成年者である専任の宅建士とは、20歳以上で、その事務所に常勤する宅建士を言います。ここは1つ注意点があります。未成年者であっても、その者自身が宅建業者である場合、または業者が法人でその役員である場合は、未成年者でも専任の宅建士となることができます(その者が主として従事する事務所等に限る)。「役員」ですのでご注意ください。未成年者の政令で定める使用人が宅建士となっても、成年者である専任の宅建士とはみなされません。

最後に補足として、この専任の宅建士設置要件を欠いた場合は、100万円以下の罰金の他に、業務停止処分を受けることがあるということも覚えておいてください。

ここで絶対に覚えておいていただきたいのは、以下の8点です。インプリっぽく押さえておきましょう。

・帳簿は、各事業年度の末日に閉鎖して、閉鎖後5年間保存する!(宅建業者自ら売主で新築は10年)

・取引関係者の請求があった場合、従業者証明書を提示する!

・取引関係者の請求があった場合、従業者名簿を閲覧させる!

・従業者名簿は、最終の記載をした日から10年間保存する!

・事務所については、5名に1名以上の割合で専任宅建士を置く!

・宅建士設置義務のある案内所等については、少なくとも1名の専任宅建士を置く!

・専任宅建士が不足した場合、2週間以内に補充する!

・未成年者であっても、その者自身が宅建業者である場合、または業者が法人でその役員である場合は、未成年者でも専任の宅建士となることができる!

成功する方法は、たった一つだ。成功するまで、失敗し続けることだ。