行政書士試験 民法勉強方法

行政書士試験 民法勉強方法 やり方

皆様、こんにちは。勉強は順調に進んでいるでしょうか?資格試験の勉強として特に宅建士、行政書士は1月から始めるのはとても都合のいい試験です。

宅建士は例年10月第三週の日曜日、行政書士試験は例年11月第二週の日曜日に開催されます。今から始めますと宅建士試験なら残り285日、行政書士試験なら313日もの勉強期間があります。本気で取り組めばだいたい勝負になる期間かと思います。

宅建士試験の勉強時間はだいたい300時間~400時間といわれており、いまから1日1時間で約300時間、1.5時間で約430時間としっかりと集中して取り組めばほとんどの人が合格に手が届くレベルになるかと思います。

そして行政書士試験の勉強時間はだいたい600時間~800時間が必要と言われておりますが、1日2時間で約600時間、2.5時間で約800時間もの時間が確保出来ますので勝負になるかと思います。ちなみに私は行政書士試験は809時間の勉強時間にて合格をしました。私の勉強期間は12月から11月までの約11か月にて800時間の時間を確保しました。

私はなまけ癖があり、なかなかエンジンに火が点かないタイプなので春過ぎまではダラダラとしてしまいましたが、後半の追い込みによりなんとか合格出来るレベルにまで理解を深める事が出来ました。ちなみに、500時間を過ぎたあたりから条文の理解が出来たり、過去問も理論を持って答えるレベルになれたのでまずは皆さん諦めずに500時間を目指してみるといいかもしれませんので、是非とも頑張ってほしいと思います。

【行政書士】民法分野を効率的に克服!効果的学習法!

はじめに

「行政書士の資格を取得したいが、民法が分からない・難しい」

そう考える方は少なくありません。
事実、民法は千を超える条文があり、行政書士試験では、民法全体が試験範囲となっています。

ここでは、行政書士試験合格者が民法を攻略するコツや考え方を6つご紹介いたします。

①民法分野の学習方法(親族分野から初めて苦手意識をなくそう)

特に民法分野に対して苦手意識が強い方にお勧めするのが、「親族」分野です。
「親族」分野では、婚姻や養子、相続などといった「家族」についてのルールを規定しています。

「親族」分野からの導入をお勧めする理由は、
・最も身近な内容であり、イメージしやすいため(例:『親族』とは何か?、婚姻の条件は?)
・民法(親族)の用語(『 』内の用語)が重要判例にリンクしている(争点となっている)
『尊属』殺人重罰規定→違憲(憲法分野:『法の下の平等』について)
『非嫡出子』の法定相続分が嫡出子の半分→違憲(同上)
いずれも違憲判決となった憲法分野での重要判決です。

親族分野から学習することで、憲法分野の学習の足掛かりにすることができます。
このように「親族」分野は、市民生活において、最も身近な法律(ルール)でイメージしやすく、かつ、憲法分野での重要判決の前提となる重要な分野です。

そのため、民法分野の導入は「親族」分野が適しているといえます。
事実、大学の法学部生が民法を初めて学ぶ際には、「親族」分野から入ることが多いようです。

民法で特に重要なのが「相続」

民法で特に重要なのが「相続」であり、各々の相続人が遺産をどの程度相続するか、相続できない場合などが細かく規定されており、試験でも頻出論点です。

相続分についての実際の理解を深める方法の一つとしては、条文の内容を場合分けして図式化することが挙げられます。
相続人が「配偶者」「子」の場合、相続人が「配偶者」「被相続人の両親」の場合、遺留分が発生する場合など、考えられる組み合わせは多岐にわたります。

パターンごとに分類して、相続人と相続分を図式化しておくと良いでしょう。

②分野ごとの出題頻度から優先順位をつける

対象分野:「債権」
民法は「総則」「物権」「債権」「親族」「相続」に大別されます。

そして、民法は条文が千を超える膨大な法律です。民法の全てを完璧に学習・理解することは、まず不可能です。

しかし、特に狙われる(出題頻度が高い)分野にある程度優先順位をつけることは可能です。これまでの本試験や、大手予備校の分析・模試などによると、特に「債権」分野が多く出題されています。

「債権」は平たく言うと、「誰かに何かをやってもらう権利」です。

「自分が何かを支配する権利」である「物権」と比較して、「債権」は抽象度が高く、条文の読み方や事例を正確に把握する能力が特に必要となるため、行政書士試験に多く採用されているのではないかと考えます。

③数字もきちんと暗記しながら勉強する

条文に数字が登場するものは要チェックです。

数字そのものだけを暗記するのはイメージがつきにくいので、数字は音読や、語呂合わせなどで「音」として覚えると良いでしょう。

また、暗記したいものを紙に何度も書きだす(手を動かす)ことも効果的です。
特に短答記述問題では、数字を知っているか否かで得点に大きな差が出ます。

例題(平成29年度 問46)
不法行為による損害賠償請求権は、被害者またはその法定代理人が、いつの時点から何年間行使しないときに消滅するかについて、民法が規定する2つの場合を、40字程度で記述しなさい。

解答例(民法724条)
損害および加害者を知った時から3年間、または不法行為の時から20年間、行使しない時。

これは条文と数字を直接的に問う問題です。

ここでは、権利を行使できる状態(相手が判明して、相手に損害賠償を請求できる状態)にあるのに行使しない場合は、3年、事実が生じてから20年の期間が経過すると、その権利は消滅してしまうことになります(消滅時効)。

つまり、「権利の上に眠る者は保護されない」わけです。
数字を知っているか否かで、ここでは最大20点もの差が発生します。
このように、条文に登場する数字を知っているか否かが得点、ひいては合否をも左右します。

④問題文(事例)は図式化できるように練習しながら勉強する

民法分野の問題は、問題文が長く、登場人物も多く登場する「事例問題」が多く、内容を正確に把握する必要があります。

そのため、時系列順に登場人物・行動を図式化し、図の中のどの部分について問われているかを明確にしましょう。

民法では、「いつ、行為が行われたか」や「前提条件(善意/悪意、詐欺/脅迫)」によって、結論(結末)が変化します。
試験では、その「結論(結末)」と「理由」について問われます。

そのため、問題内容を図式化しない・図が不正確だと、そもそも問題として問われている内容が分からなかったり、事例(前提)が誤った状態で回答したりすることになります。

混乱は間違いを招きますので、問題文を精読し、何が論点となっているかを正確に図式化・可視化しておきます。

⑤難問・奇問で混乱しないように見分ける力をつける

例年、難易度や合格率調整のために明らかな難問・奇問が出題されます。

民法分野では行政法と異なり、事例(前提)を操作しやすく、その都度、民法の規定や判例から内容を精査する必要があります。

行政法は市民と行政、または行政間のルールであるため、ある程度前提や対応が画一的なものになります。それは行政法が公平性を重視し、あらゆる面で行為について「法律上の根拠」を求めるためです。

民法は、市民間のルールであるため、行為について「法律上の根拠」が存在しない(『法律上の根拠』があるから行為を行った・行わなかった、とはならない)ため、事例を操作しやすいです。

中には登場人物や行為を多くしたり、債権分野の論点と物権分野の論点とをすり替えたりして、混乱を狙ってくるような難問・奇問がありますが、そのような問題は「捨て問題」として割り切ることも必要です(『捨て問題』は平均点や合格率調整のために意図的に組み込まれます)。

民法では、事例を操作しやすいため、難問・奇問を出題することも容易です。

明らかに難しいと感じる問題については無視し、基本問題(数字を問う・判例を問う)を取りこぼさないことが大切です。

⑥民法は「公序良俗(90条)」のためのルール=常識であると心得る

民法は独特の解釈を必要とする場合もありますが、私たちにとって最も身近な法律です。今日の社会生活のルールを取り決めるとともに、常識をも形作っています。

どうしても分からなかったら、「自分ではどうするか」「これまでの経験ではどうすべきか」という自身の「常識(良識)」で考えましょう。

つまり、問題文に登場する人物で「誰が保護されるべきか(落ち度がないか)」を考えてみます。

(基本的に民法は、落ち度がない(善意無過失)の人を最大限に保護するように構成されています)

ここまで、民法の攻略方法や学習方法、考え方について解説してきましたが、民法はつまるところ、「人と人とのルール」であり、社会生活の秩序を守るために存在しています。

それを表しているのが、民法90条の「公序良俗」の原則です。

民法は、「誰が保護されるべきか(信義側)」を常に念頭に置いており、それは世間一般の「常識」として扱われています。 民法に限らず、法律は条文が何を伝えているかを正確に読み取ること(解釈)がポイントとなります。

まとめ

今回は、行政書士試験の民法分野の攻略方法について6つご紹介しました。

6つのうち、特に実行しやすいものを3つ取り上げ、具体的な方法を簡単に整理します。

②分野ごとの出題頻度から優先順位をつける

→「親族」分野から導入、「債権」分野を集中して学習する

 テレビや映画などを民法の観点から視聴する

③数字もきちんと暗記しながら勉強する

→音読や語呂合わせなど、「音」として覚える

 紙に書きだして(手を動かして)体で覚える

④問題文(事例)は図式化できるように練習しながら勉強する

→学習の段階で、事例や条文の内容を図式化して視覚的に把握する

試験において、民法は行政法に次いで問題に占めるウエイトが大きく、無視して合格はつかめません。

民法分野は簡単ではありませんし、範囲も膨大で、得点源としにくい科目であることは違いありませんが、試験では民法の基本問題が大半を占めています。

条文を精読し、何が問題・論点となっているかを正確に把握することで、十分に対応・攻略可能です。

誰よりも三倍、四倍、五倍勉強する者、それが天才だ。