行政書士試験 記述対策

行政書士試験 記述対策 令和2年 問44

皆様、こんにちは。ついに明日、2021年度行政書士試験の合格発表ですね。期待と不安で押しつぶされそうな思いの方が多数いるかと思いますが、天命を信じて明日まで期待して待ちましょう。

そういえば、先日私の部下に資格取得を勧めたところ、とても前向きに是非頑張りたいですという言葉を聞くことが出来ました。案内した私もとても嬉しくなりましたね。やはり資格って人生にとって非常に重要だと思ってます。特に私のような素晴らしい学歴も無ければ、人よりも遥かに優れた分野が無いような人にはとっても必要だと信じております。私自身もこの会社で出世してきましたが、やはり資格をたくさん持っている=知識が豊富というイメージ戦略により、順調に出世したと確信しておりますし、異業種交流会等に参加してもこの話をすると一目置かれることが多いので助かっております。

よく、そんな資格取っても意味ないとか、仕事に活かせないからとかいう人いるのですが、取れない奴の言い訳ですね。勉強したくない理由付け、そもそも能力不足だから届かない奴がよくこんなこと言いますね。なので、一生懸命頑張りたいという気持ちのある人は全力で応援して行きたいと思います。

問題

 A県内の一定区域において、土地区画整理事業(これを「本件事業」という。)が計画された。それを施行するため、土地区画整理法に基づくA県知事の認可(これを「本件認可処分」という。)を受けて、土地区画整理組合(これを「本件組合」という。)が設立され、あわせて本件事業にかかる事業計画も確定された。これを受けて本件事業が施行され、工事の完了などを経て、最終的に、本件組合は、換地処分(これを「本件換地処分」という。)を行った。

 Xは、本件事業の区域内の宅地につき所有権を有し、本件組合の組合員であるところ、本件換地処分は換地の配分につき違法なものであるとして、その取消しの訴えを提起しようと考えたが、同訴訟の出訴期間がすでに経過していることが判明した。

 この時点において、本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めるため、Xは、誰を被告として、どのような行為を対象とする、どのような訴訟(行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る。)を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。

記述に必要なポイントを抜き出してみますと

・Xさんは、事業区域内の宅地に所有権を有する本件組合の組合員

・本件換地処分は、違法なものであるとして、取消しの訴えを提起したい

・取消訴訟の出訴期間が、すでに経過している

Xさんは、

本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めるため、

①誰を被告として、

②どのような行為を対象とする

③どのような訴訟を提起すべきか。(行訴法の抗告訴訟に限る。)

これを書くように指定しています。

今回、この被告について予備校各社でも最初間違うなど、とても難易度が高かったかと思います。私は「本件組合」と記載出来ましたが、当日の回答速報では「A県知事」となっていたため落ちたと悔しんだおもいがありましたが、実は正解になり、大変うれしかったのを覚えております。

取消訴訟に関する規定の準用

第三十八条 第十一条から第十三条まで、第十六条から第十九条まで、第二十一条から第二十三条まで、第二十四条、第三十三条及び第三十五条の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟について準用する

2~4 略。

被告適格等

第十一条 処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。

一 処分の取消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体

二 裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体

2 処分又は裁決をした行政庁が国又は公共団体に所属しない場合には取消訴訟は、当該行政庁を被告として提起しなければならない。

3~6 略。

土地区画整理法

土地区画整理事業の施行

第三条 

1 略。

2 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業施行することができる。

3~5 略。

換地処分

第百三条 

1、2 略。

3 個人施行者、組合、区画整理会社、市町村又は機構等換地処分をした場合においては、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

4~6 略。

土地区画整理事業の事業主体は、主に土地区画整理組合です。


この組合が、換地処分を行うんですが、この組合は、被告適格等の「行政庁が国又は公共団体に所属しない場合」にあたります。

この組合が行った換地処分の「違法性」を訴えるので、被告は、土地区画整理組合または本件組合のどちらか字数に合わせて書くことになります。

成功は決定的ではなく、失敗は致命的ではない。大切なのは続ける勇気だ